チームの成果を高める「3つのファンダメンタル」vol.2

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前回の記事では、チームの成果を高めるための「3つのファンダメンタル」として、ビジョン、信頼、対話の重要性についてお話ししました。これらは、単なる理論ではなく、どの組織にも適用できる普遍的な原則です。しかし、「なぜこれらが成果の向上につながるのか?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。

そこで今回は、これら3つのファンダメンタルがどのように組織の成果を支え、向上させるのか、その全体像をより詳しく掘り下げていきます。それぞれが持つ役割や効果を解説しながら、チーム全体の力を最大限に引き出すための仕組みを明らかにしていきましょう。

3つのファンダメンタルとチームの成果向上 ― その全体像
現代のビジネス環境は急速に変化しており、組織には柔軟かつ持続可能な生産性向上が求められています。そのためには、単に業務効率化やツールの導入に依存するだけでは不十分です。チーム全体としての方向性、メンバー間の信頼関係、そして活発なコミュニケーションが求められます。このような背景の中で、ビジョン、信頼、対話という「3つのファンダメンタル」が、チームの成功に向けた基盤としてますます重要視されています。

1. ビジョン:チームの力を結集する羅針盤
ビジョンは、チームが共有する「未来像」であり、チームの方向性を明確に示すものです。ビジョンのないチームは、同じ船に乗りながらも目的地が不明な状態と似ています。各メンバーが努力していても、その力は分散し、結果として大きな成果を得られません。一方、ビジョンが明確で全員に共有されていると、メンバーは自分の役割や貢献すべきポイントを具体的に理解し、一体感を持って行動します。
特に、ビジョンが明確であることは「チームのアライメント(整合性)」を保つための重要な条件です。アライメントとは、チームのすべての要素(個々のメンバー、プロジェクト、部署)が、共通の目的に向かって整合性の取れた状態で機能していることを指します。この状態が実現すると、チーム内での意思決定がスムーズになり、リソースの無駄遣いが減少します。
たとえば、ある中小企業が「地域社会に貢献する持続可能な製品の提供」をビジョンに掲げたとします。このビジョンが従業員全員に浸透していれば、日々の業務において自然とその目的を意識した判断が行われます。営業担当者は顧客のニーズを深く理解し、開発担当者は環境に優しい新製品のアイデアを積極的に提案するなど、組織全体で方向性が統一されます。アライメントが取れた組織では、メンバーの個別の努力が組織全体の成果に結びつきやすくなります。 さらに、ビジョンは単なるスローガンで終わるべきではありません。実現可能で、具体的な行動に結びつく内容であることが重要です。また、リーダーが定期的にビジョンを再確認し、変化する環境に応じて進化させることも求められます。これにより、チーム全体が常にアライメントを維持しながら進化することが可能になります。

2. 信頼:心理的安全性が生む協働力
次に、信頼は、チームの基盤を支える要素として欠かせません。特に「心理的安全性」が確保されているチームでは、メンバーが自分の意見を自由に表現し、失敗を恐れず新しいことに挑戦できます。この安全性は、チーム全体の協働力を高め、結果として成果の向上につながります。
信頼が欠如している環境では、メンバーはリスクを取ることを避け、表面的なコミュニケーションしか行いません。この状態では、潜在的な問題が表面化しないまま放置されることが多く、結果として大きなトラブルに発展する可能性があります。一方、信頼関係が強いチームでは、メンバーが積極的に情報を共有し、困難な課題に対しても共同で解決策を模索できます。
たとえば、プロジェクトの中で何か予期せぬ問題が発生した場合、信頼関係が強いチームでは、誰もが率直に課題を指摘し、それを乗り越えるための建設的な議論が行われます。一方で、信頼が低いチームでは、問題が指摘されずに放置されたり、責任の押し付け合いが発生したりするリスクがあります。 また、信頼はトップダウンで一方的に構築されるものではなく、リーダーとメンバー、さらにはメンバー同士の相互作用によって育まれます。信頼関係を築くためには、日々のコミュニケーションやフィードバックの中で、誠実さと一貫性を持って行動することが大切です。

3. 対話:多様な意見を引き出す力
最後に、対話はチームの多様性を活かすための重要なプロセスです。特に、現代の複雑な課題に取り組む際には、個々のメンバーが持つ異なる視点やスキルを引き出し、それをチーム全体で共有することが求められます。対話の質が高いチームでは、メンバー間での誤解や衝突が減り、創造的で実行可能な解決策が生まれやすくなります。
対話が不足しているチームでは、意思疎通の欠如から不満やストレスが蓄積し、生産性が低下することがあります。一方、対話が活発なチームでは、各メンバーが自分の役割だけでなく、チーム全体の目標に関心を持ち、互いに補完し合う関係が築かれます。
具体例として、商品開発チームが新しいコンセプトを検討しているとしましょう。営業チームが市場の声を提供し、マーケティングチームが競合分析を共有し、開発チームが技術的な可能性を提示することで、対話を通じて多角的な視点が得られます。このプロセスを経ることで、最終的な商品コンセプトが顧客のニーズを的確に反映したものになります。
さらに、対話を促進するためには、チーム内での共感と敬意が不可欠です。意見の対立は避けられないこともありますが、それを乗り越えるためには、相手の視点を理解しようとする姿勢が重要です。

3つのファンダメンタルが生み出す相乗効果
ビジョン、信頼、対話は、それぞれが独立した要素であると同時に、相互に強く関連し合っています。たとえば、ビジョンが明確なチームでは、メンバーが対話を通じてその実現方法を模索し、対話を通じて得られた理解が信頼を深めるきっかけとなります。こうした相乗効果によって、3つのファンダメンタルがチームの成果を飛躍的に高める原動力となります。

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