チームの成果を高める「3つのファンダメンタル」vol.1

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業務を共に行うチームの成果を高めることは、現代のあらゆる組織にとって重要な課題です。業務の効率化やデジタル技術の導入が進む一方で、チーム全体の力を最大限に引き出し、持続的な成果を上げることは、組織全体にとっても死活問題です。そして、そのチームの成果を高めるには、メンバー間の関係性や組織文化が大きく影響します。その中でも特に注目すべきだと私が考えているのは、チームの基盤を支える「3つのファンダメンタル」――ビジョン、信頼、対話です。この3つは、単なる手法やツールではなく、チームが成果を高めるための根本的な要素として機能します。

ちなみに、「チーム」の定義に関して、一橋ビジネススクール教授の楠木建氏は、「お互いの相互依存関係を理解し合える範囲に収まる人間の集団」と定義しています。私がチームという場合も同じ認識を持っていますが、「同じ目的に向かって、互いを認識し合いながら、共に活動する集団」と読み替えていただいてもよいかと思います。

さて、チームの成果を高める「3つのファンダメンタル」のうち、まず、「ビジョン」はチームの方向性を明確にし、全員が目標に向かって進むための道しるべとなります。曖昧な目標ではメンバーが個別に努力しても力が分散してしまい、成果にはつながりません。共有されたビジョンがあれば、チーム全体が一体感を持ち、一貫性のある行動を取ることができます。

次に、「信頼」はチーム内の協力を生む鍵となります。信頼がある環境では、メンバーは安心して自分の意見を共有し、ミスを恐れずに挑戦できます。特に心理的安全性が確保されているチームでは、建設的な対話やフィードバックが活発に行われ、結果としてパフォーマンスが向上します。

最後に、「対話」はチーム内での意思疎通を促進し、メンバーの多様な意見を引き出す重要なプロセスです。対話が不足していると、誤解や衝突が生まれやすく、チーム全体の力が低下します。一方、対話が活発なチームでは、メンバー間でアイデアが共有され、創造的な解決策が生まれます。

これら3つのファンダメンタルは、単独でもチームに良い影響を与えますが、互いに補完し合うことでさらに大きな効果を発揮します。例えば、明確なビジョンが信頼の基盤を支え、信頼関係が対話を深めます。そして、深い対話を通じてビジョンが具体化され、メンバー全員の理解と共感を得ることができます。

これらのファンダメンタルは、どのチームにも適用できる普遍的な原則です。それを活用することで、変化の激しい時代にも柔軟に対応できる強いチームを作り上げることができます。このメルマガでは、今後数回に渡って、チームの生産性を高める「3つのファンダメンタル」について掘り下げていきたいと思います。

皆さんのチームが、より効果的で協力的なチームに進化するヒントをお届けできればと思っております。
次回は、「3つのファンダメンタル」の全体像について、もう少しご説明いたします。次回もどうぞお楽しみに。

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