「経営者目線で仕事をしろ」で、社員は動かない。

「経営者目線で仕事をしろ」で、社員は動かない。

会社でよく聞く言葉があります。

「もっと経営者目線で仕事をしてほしい」
「社員にも経営者意識を持ってほしい」
「言われたことだけやるのではなく、もっと全体を見て動いてほしい」

社長や経営陣が、社員に向けてこう語る場面は少なくありません。
でも私は、この言葉には、少し無理があると思っています。

なぜなら、多くの社員は、そもそも“経営者目線”を持っていないからです。
そしてそれは、悪いことでも、意識が低いことでもなく、
むしろ自然なことだと思うのです。

■ 経営者マインドを持つ人は、そもそも会社に残りにくい

経営者というのは、会社の最終責任を負う人です。
売上が下がっても、資金繰りが苦しくなっても、最後は自分が背負う。

そういう立場に立っている人の感覚は、やはり特殊です。

本当に強く経営者的な感覚を持っている人は、
そもそも会社員という働き方を選ばないか、独立したり、裁量の大きい場所へ移っていくことが多いでしょう。

だから、会社にいる多数の人に向かって「経営者目線を持て」と言ってしまうのは、
少しズレた期待なのかもしれません。

■ 「別の人格になれ」という要求になっていないか

多くの社員が働く理由は、もっと普通のものです。
生活を安定させたい、役割の中で力を発揮したい、役に立ちたい。

それなのに、「もっと経営者みたいに考えろ」と求めてしまうと、
本人からすると、「今のあなたのままでは足りない」と言われているようにも聞こえるし、
場合によっては、「別の人格になれ」と言われているようにも聞こえるからです。

「経営者目線」という言葉は、便利だけれど、とても雑な言葉でもある。

■ 社員に必要なのは、経営者目線ではなく「役割の意味」

社員に本当に必要なのは、経営者になることではないはずです。

必要なのは、
自分の仕事が何につながっているかが見えること
なのだと思います。

・自分の仕事は、誰の役に立っているのか。
・どんな価値につながっているのか。
・どこまでが自分の裁量なのか。

こうしたことが見えていれば、人はかなり主体的に動けます。

■ 社員が動かないのは、「意識が低い」からとは限らない

社員が受け身に見えるとき、実際には意識の問題ではなく、
「そうならざるを得ない構造」になっていることも多いように思います。

何のための仕事なのかが共有されていない。裁量が曖昧で、勝手に動くと怒られる。
こんな状態で「経営者目線を持て」と言われても、なかなか難しいですよね。

むしろ社員からすれば、
「そこまで求めるなら、そこまで任せてほしい」という感覚になるかもしれません。

■ 社長が本当に見るべきもの

社員に経営者マインドを求める前に、社長が見るべきなのは、
社員の意識の高さよりも、
その人が自分の役割に意味を感じられる構造になっているかどうか
ではないでしょうか。

仕事の意味が見えること。判断基準が共有されていること。
会社の目指す方向と、自分の仕事がちゃんと接続していること。

社員に必要なのは、経営者マインドではありません。
自分の役割の意味が見え、自分の仕事が価値につながっていると実感できること。

その状態がつくれていれば、人は「経営者目線」などと言われなくても、
ちゃんと前を向いて働けるのではないかと思います。

それでは、また。
ローレンス佐藤

CONTACT US

お問い合わせ

        ご依頼・ご相談は、メールフォームからご連絡ください。

       

THE THIRD(ザ・サード)(ライフ・ブレークスルー・ジャパン株式会社)

メールフォームはこちら