「組織を良くしたい」の真意

「うちの組織を変革したい」
「部署の風通しをよくしたい」

よく頂くお話しであり、ご要望です。
組織リーダーから直接ご用命頂く時は、大抵がこのようなケースです。
しかし、よくよくお話しを聞いていくと、こんな本音が見えてくることが多いです。

– 俺は変わるつもりはないが、部下を変えたい(俺は正しい。変わるべきは部下だ)
– 部下にワークショップをさせて、自分はそれを見ていたい(部下を評価したい。原因が誰かを追求したい)
– 俺はみんなと一緒にワークショップするのはごめんだ(同じ立場には降りたくない)

さて、組織のリーダーがこのようなマインドでいて、果たして組織を変革することができるでしょうか?

部下は、リーダーの姿勢を常に見ています。そしてそれは確実に伝播します。そして、何よりも部下に伝わっているのは、リーダーが事前に用意して語る言葉ではなく、リーダーが日々部下に見せている姿勢であり、表情であり、言葉の端々に出てくる本音です(本人にはそれが伝わってしまっている自覚がほとんどありません)。

なので、リーダーが自ら積極的に自己否定し、自分を変える姿勢を見せずして、部下を変革し、組織を変革しようというのは、全くもって無理な話しです。部下はリーダーの魂胆を見透かしています。そんな目的の為に都合よくワークショップを利用しようとしても本末転倒ですし、むしろ溝は深まります。

一方で、組織リーダーの不安な気持ちも分かります。

特に日本の場合、ポジション=権威であり、そのポジションが自分を守ってくれているという側面が多分にありますから、自分の権威を失うようなリスクはおかしたくない。自分をさらけ出すことは自分を否定することにもつながりかねない。自分のリーダーシップを失うようなことは避けたい。普段言っていることと本音が実は全く違っていることを知られる訳にはいかない。

そのお気持ちは分かります。でも、そのリーダーの考え方と、その考え方が生み出す不安が、そもそも組織の風通しを悪くし、閉塞感を生み出している、ということに気づいて欲しいと思っています。

正直、そこから踏み出すのはとても勇気のいることだと思います。ですが、リーダーがその勇気を振り絞って一歩踏み出さずにいて、部下が勇気を出せるはずがありません。

組織変革とは、高い報酬を払って高名なコンサルタントに実現してもらうことでもなければ、難解な組織理論を必死に勉強して声高々に講釈することでもなければ、何か特別なメソッドがあって、それさえ導入すれば必ず実現される、というものでもありません。組織リーダーが自ら自己を変革するという勇気と、その勇気に後押しされたメンバーひとりひとりの勇気の灯火によって実現されていくものだと私は思っております。

組織リーダーが自分自身を一旦全て否定して、ゼロからメンバーと対話してみる、それも、一対一ではなく、メンバー全員と同時に行うことです。その勇気があって初めて、全員が同じ床で全員と対話するという場ができあがります。

お仕事をしていても、「私も是非一緒に参加したいです!」と組織リーダーがおっしゃってこられる場合は、ワークショップも非常に良い成果を生み出します。メンバーが安心して思いを開示しあい、全員が本当に目指したい姿と、その為に向き合うべき本当の課題が見えてきます。

もちろん、組織リーダーが参加すると結局パワーバランスが働いてしまって、むしろワークショップの価値が発揮されないのではないか、というご心配もよく頂きますが、それを無くす為に効果を発揮するのが、ファシリテーターの存在であり、道具なんです。私の場合でいけば、レゴ®シリアスプレイ®という手法がその「道具」にあたります。さらには、レゴという道具をみんなで使っていきます。

ただ、手法もレゴも単なる道具でしかありません。本当に価値があるのは、あなたの「可能性」であり、あなたの組織の中に眠っている「可能性」だと、私は思っています。それを探求するには、「道具」があったほうが、より効果的で効率的な探求ができます。

「本気で自分の組織の可能性を探求してみたい!」
「その為に、自分も勇気を出して自分の殻を打ち破る!」

そんな組織リーダーを本気で支援しています。

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