本当に理解したいなら目を合わせない

私たちは幼い頃から、人の話を聞く時には相手の目を見て、と教わります。そうしないと失礼であり、ちゃんと聞いてることが相手に伝わらないと考えています。

しかし、話の内容を本当に理解しようと思ったら、実は目を合わせない方が効果的だということをお伝えします。

これは皆さんも感覚的に分かることだと思いますが、相手と目を合わせて話を聞く際にはさまざまな心理的負担が発生します。

まず、余程親しい気を許せる相手でなければ、人と目を合わせること自体に緊張が伴います。相手が目上の関係にある人であれば、その緊張やストレスはさらに高まりますし、内向的傾向が強い人なら尚更です。瞬きのタイミングすら意識してしまいます。

さらに、目を合わせるということは、相手の表情や反応がダイレクトに伝わることを意味します。愛し合っている人同士や気の置けない親しい中であれば、それがどのようなものであれ、素直な反応を安心して受け取ることができますし、そのことが親しさや愛情の表れとして喜べると思います。また、話の内容自体がカジュアルなものであれば、相手の反応がそこまで気になることはないと思います。

一方、会議などのオフィシャルな場であったり、プライベートでも何か大事なことについて話し合うような場面では、目線を通じて送られてくる相手の反応が心理的に大きな影響を与えてきます。

人は、自分の話に相手が理解を示してくれているか、あるいは否定的なのかを、相手の目線や表情ですばやく感知して判断します。

もし相手の反応が期待したものと違えば、瞬時に多大な不安やストレスが発生します。すると、その状態を脱したい心理的働きと、実際に否定的なコメントをもらいたくないという防衛本能が働いて、相手の返答を待たずして言葉を変えたり、内容を変えたりして言い直す行動に出ます。

簡単に言えば、相手が「うんうん」と頷いてくれないと不安になり、本来言いたかったことを変えていってしまうということです。さらには、伝えることを諦めてしまいます。

そうなると、お互いが本当に理解し合うことはできませんし、その会話やミーティングで何らかの結論が出たとしても、それに心から納得したり満足することはできません。なので、そのような事態を避ける為に、「目を合わせない対話方法」をオススメしています。

「目を合わせないでどこを見るのか?」
と思いますよね。それは、「話の内容そのもの」を見るんです。

それを実現するために、語り合いたいテーマや議論したいお題について、各自がそれぞれの考えを「カタチ」として作り、その作品(=意見)に目線を向けて話を聞くというやり方をします。この方法だと、相手を見ずに「話の内容そのもの」を見ることができます。

作者(話者)は自分の作品を見ながら(相手を見ずに)、自分の意見について焦らず語れますし、聞き手も作品を見ながら(話者を見ずに)、余計なプレッシャーを相手に与えず、じっくりと話を理解することができます。

また、このように意見が「作品」になっていると、聞いてみないと意味が分からないので、聞き手側が話を遮ったり、結論を先食いして巻き取ってしまうような事態も避けられます。

いかがでしょうか。お互いの考えを本当に理解し合いたいと思ったら、「目を合わせない」方が効果的だという理由についてご説明しました。

このように、真の相互理解を生む「目を合わせない対話」を皆さんのお集まりや組織でも実践していただけるよう、レゴ®シリアスプレイ®メソッドという効果的な手段をご提供しています。

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