人と組織が、なぜそう動くのか。
もっと話し合えば、伝わるはずだ。方針を明確にすれば、動けるはずだ。
そう考えて手を打っても、同じ状況が繰り返されることがあります。そのとき私たちは、そこで選ばれている行動の背景に目を向けます。
その人には、何が見えているのか。どのような役割を担い、何を期待され、何を避けようとしているのか。
行動の理由を理解することが、次の選択肢を考える出発点になります。
組織内合理性という視点
私たちが着目するのは、その組織の中で、ある判断や行動が「もっともだ」と受け止められる理由です。この視点を、組織内合理性と呼んでいます。
目標や評価、仕事の分担、周囲との関係、過去に成功した経験。「この会社では、こうするものだ」という暗黙の了解。それらは、日々の判断に関わっています。
例えば、こんなことが起きているかもしれません。
| 見えている行動 | 背景を理解するための問い |
|---|---|
| 自分で決めず、上司に判断を仰ぐ | どこまで任されているか。過去に自分で決めたとき、どう受け止められたか。 |
| 他部門との協力が後回しになる | 何を優先するよう求められ、どの成果で評価されているか。 |
| 会議では賛成するが、実行が進まない | その場では話せなかった懸念や、現場での制約は何か。 |
| 自社の価値を同じ言葉で説明し続ける | 誰の、どんな使い方を前提に商品やサービスを捉えているか。 |
これらは背景を探るための例です。実際の理由は、当事者の話と現場の状況を確かめながら考えます。
組織の中で筋が通ることと、望む結果につながること。
ある部門にとって理にかなった判断が、別の部門では仕事を進めにくくしているかもしれません。以前はうまくいったやり方が、顧客や事業環境の変化によって合わなくなっている場合もあります。
なぜその行動が選ばれているのかを理解したうえで、組織として何を大切にしたいのか、どの前提を見直す必要があるのかを話し合います。
理由を理解することは、いまの状態をそのまま受け入れることとは異なります。どこから変化に取り組むかを、具体的に考えるための手がかりになります。
見えにくい前提を、対話できる形にする。
LBJは、ワークショップの設計とファシリテーションを通じて、この対話を支援します。
1. 起きていることを確かめる
何に困っているのか、どのような場面で起きるのか、誰が関わっているのか。状況を伺い、取り組む問いを整理します。
2. 一人ひとりの見方を可視化する
LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドなどを通じて、仕事や組織をどう捉えているかを表現します。モデルの意味は、つくった本人が語ります。
3. 判断の背景を共有する
見えているものの違いや、大切にしていることを聴き合います。共通する前提、食い違う前提、まだ確かめられていないことを整理します。
4. 次の一歩を考える
これから何を基準に判断するか、何を試すか、何を確認するかを考えます。対話の中で、権限や評価、業務の進め方などの課題が見えてきた場合は、社内で検討すべき論点として整理します。
組織の関係にも、事業の見方にも。
次世代育成では、経営者と次世代がどのように役割や未来を捉えているかを扱います。経営チームや部門間の対話では、それぞれの判断の背景を扱います。
商品・サービスの価値を見直すときにも、同じ視点が役立ちます。「自社は何を提供する会社か」という捉え方が、可能性を考える範囲に関わっているためです。
第3のイノベーションでは、その見方を顧客の使い方や周辺のサービスへと広げ、次に確かめる価値の仮説を考えます。
まず、何が起きているかをお聞かせください。
うまく言葉にできていない違和感や、繰り返し起きるすれ違いからでも構いません。状況を伺い、対話を通じて扱うテーマをともに考えます。
