職場に「居場所」がない時代に、企業は何をすべきか

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職場に「居場所」がない時代に、企業は何をすべきか
孤独を防ぎ、役割感を取り戻す場としてのLEGO® SERIOUS PLAY®メソッド

日本経済新聞の朝刊で、職場に「居場所がある」と感じる社員が減っていることが取り上げられていました。

記事によれば、インディードリクルートパートナーズリサーチセンターの調査では、「職場に自分の居場所がある」と答えた就業者は、2024年に54.9%。2013年から11.3ポイント低下しています。

特に落ち込みが目立つのは、30〜50代の働き盛り世代です。

・職場にいる。

・仕事はしている。

・会議にも出ている。

・チャットやメールでやり取りもしている。

それでも、自分はここにいてよいのか。
自分は必要とされているのか。
自分の存在や役割は、周囲に届いているのか。

そうした実感が持ちにくくなっている人が増えている、ということです。

職場の居場所感は、
企業にとって無視できない経営課題になっています。

これは単なる「社員の気持ち」の問題ではありません。

職場で孤独感が強まれば、働きがい、エンゲージメント、生産性、そして離職にも影響します。パーソルキャリア「Job総研」の調査では、孤独を感じたことのある人のうち、約2割が退職していたと紹介されています。

なぜ、職場の居場所感は弱まっているのか

背景には、いくつかの変化があります。

FACTOR 01
雇用の流動化
関係性が積み上がりにくい

転職、副業、ジョブ型雇用、プロジェクト単位の働き方などにより、職場との関係は以前より流動的になっています。

FACTOR 02
働き方の変化
雑談や偶然の会話が減っている

テレワークやハイブリッドワークの広がりにより、対面での会話や何気ない関わりが生まれにくくなっています。

FACTOR 03
コミュニケーションの効率化
用件だけのやり取りに偏る

オンライン会議やチャットは便利ですが、仕事に直接関係しない会話や気持ちの共有は失われがちです。

FACTOR 04
心理的安全性の不足
本音を出しにくい職場

安心して話せない職場では、社員は自分の存在や思いを出しにくくなり、孤独感が強まりやすくなります。

かつてのように、長く同じ会社に勤め、自然に関係性が積み上がっていく働き方は、以前よりも当たり前ではなくなりました。

また、テレワークやハイブリッドワークの広がりによって、対面での雑談や偶然の会話は減りました。オンライン会議やチャットは便利ですが、用件のやり取りに偏りやすく、「何となく気にかけてもらっている」「自分の様子を見てくれている」という感覚は生まれにくくなります。

さらに、コミュニケーションの効率化も影響しています。

無駄な会議や長時間の拘束を減らすことは大切です。しかし、効率化が進みすぎると、仕事に直接関係しない会話や、曖昧な気持ちを共有する余白まで失われてしまうことがあります。

職場の居場所感は、業務連絡だけでは生まれません。

・自分の存在を知ってもらうこと。

・自分の役割を認めてもらうこと。

・困ったときに声をかけられること。

・何気ない会話の中で、相手との関係を感じられること。

そうした小さな積み重ねの中で、「ここにいてよい」という感覚は育っていきます。

日本の会社員は「役に立っている実感」を求めている

記事では、筑波大学の中村准子准教授の指摘として、日本の会社員は、上司や同僚など周囲から必要とされ、役立っている実感を求める傾向があると紹介されています。

これは、とても重要な視点です。

職場の居場所感とは、単に仲が良いということではありません。

・自分の役割がある。

・自分の存在が認識されている。

・自分が誰かの役に立っている。

・自分の仕事が、チームや組織の中で意味を持っている。

そう感じられることが、居場所感の土台になります。

逆に言えば、どれだけ職場に長くいても、どれだけ忙しく働いていても、自分の役割や存在価値を感じられなければ、人は孤独になります。

これは、特に30〜50代の働き盛り世代にとって深刻です。

この世代は、成果を求められ、責任も増えます。
一方で、管理職にならない人、役職定年を迎える人、若手と上層部の間で調整役になる人もいます。

頑張っているのに、誰からも見られていない。
頼られてはいるが、認められている実感はない。
役割は増えるが、自分の存在価値はむしろ見えにくくなる。

そうした状態が続けば、職場への気持ちは少しずつ離れていきます。

若者も、職場の人間関係を求めている

興味深いのは、若い世代も職場の居場所や人間関係を重視しているという点です。

記事では、東京商工会議所が2026年度の新入社員に聞いた調査で、回答者の約87%が何らかの業務外コミュニケーションを求めていることが紹介されています。

「若者は仕事よりプライベート優先」
「職場の飲み会や人間関係には関心がない」

そう見られがちですが、実際にはそれほど単純ではありません。

・若者も、安心して話せる人が欲しい。

・気軽に相談できる関係が欲しい。

・職場の中で、自分が浮いていないという感覚が欲しい。

ただし、昔ながらの濃い人間関係や、半ば強制的な飲み会を求めているわけではないのだと思います。

必要なのは、無理に距離を詰めることではありません。

安心して関われること。
自分らしくいられること。
必要なときに頼れること。
業務以外でも、少し人としてつながれること。

そうした、ほどよい関係性です。

居場所感は、働きがいとつながっている

JTBコミュニケーションデザインのワーク・モチベーション研究所と筑波大学の中村准教授の共同調査では、職場での「居場所感」が、働きがいを示すワークエンゲージメントと相関しているとされています。

特に重要なのは、「役割感」です。

・自分はこの職場で何を担っているのか。

・自分の存在は、誰にどのように役立っているのか。

・自分がいることで、チームにどんな意味があるのか。

この役割感が高まると、自分の存在価値を認識し、もっと頑張ろうという活力につながる。

これは、企業にとって非常に重要です。

社員の居場所感を高めることは、単なる福利厚生ではありません。
人間関係をよくするための「雰囲気づくり」だけでもありません。

社員が自分の役割を実感し、
仕事への意味や活力を取り戻すための、
マネジメント上の重要テーマです。

ピアボーナスだけでは足りない

記事では、仕事の成果を評価し合い、互いに報酬を送る「ピアボーナス制度」など、企業の取り組みも紹介されています。

こうした制度は、社員同士が感謝や貢献を見える形で伝え合う仕組みとして有効です。

ただし、制度だけでは十分ではありません。

なぜなら、居場所感は、単に「ありがとう」と言われるだけでは深まりきらないからです。

・自分は何を大切にして働いているのか。

・このチームの中で、自分はどんな役割を果たしているのか。

・他のメンバーは、自分をどう見ているのか。

・自分は誰に、どのように支えられているのか。

・これからチームとして、どんな関係をつくりたいのか。

こうしたことを、職場の中で対話する機会が必要です。

しかし、通常の会議では、このような話はなかなか出てきません。

業務報告、進捗確認、課題共有、意思決定。
会議はどうしても、仕事の処理に向かいます。

職場の居場所感を高めるには、仕事を処理する会議とは別に、人と人の関係性を見つめ直す場が必要なのだと思います。

LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドが有用な理由

そのような場づくりにおいて、LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドは非常に有用です。

LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドは、参加者がレゴ®ブロックで自分の考えや感じていることを作品としてつくり、その作品をもとに対話する方法です。

この方法が職場の居場所感づくりに有効なのは、いくつかの理由があります。

LSP 01
感覚を外在化できる
見えない思いを形にする

「居場所がある」「孤独を感じる」「役に立っている実感がある」といった言葉にしにくい感覚を、作品として表現できます。

LSP 02
全員が語る場をつくれる
声の大きい人だけに偏らない

全員が作品をつくり、全員が語ることで、普段あまり発言しない人の考えや感覚も場に出てきます。

LSP 03
作品を介して話せる
自己開示の負担を下げる

人ではなく作品を見ながら話せるため、直接言いにくいことも少し安全に語りやすくなります。

LSP 04
役割や貢献が可視化される
自分の存在価値を確認する

自分では当たり前だと思っていた役割や行動が、他者にとって大きな支えになっていることに気づけます。

1. 目に見えにくい感覚を外に出せる

「居場所がある」「孤独を感じる」「役に立っている実感がある」といった感覚は、言葉だけでは表現しにくいものです。

しかし、ブロックで形にすると、自分でも気づいていなかった感覚が見えてくることがあります。

2. 全員が語る場をつくれる

通常の会議では、声の大きい人や役職の高い人が話しがちです。

一方、LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドでは、全員が作品をつくり、全員が語ります。

これにより、普段あまり発言しない人の考えや感覚も場に出てきます。

3. 作品を介することで話しやすくなる

「私は職場で孤独です」と直接言うのは難しいかもしれません。

しかし、「この作品は、今の自分の職場での距離感を表しています」と語ることはできます。

作品があることで、自己開示の負担が下がります。
人ではなく作品を見ながら話せるため、対話が少し安全になります。

4. 互いの役割や貢献が可視化される

自分では当たり前だと思っていた仕事が、他の人から見ると大きな支えになっていることがあります。

逆に、自分が何気なくしている行動が、誰かの安心につながっていることもあります。

LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドでは、こうした見えにくい役割や貢献を、作品と対話を通じて確認できます。

これは、職場の「役割感」を取り戻すうえで大きな意味があります。

「居場所」は、自然に生まれるものではなく、設計するもの

かつての職場では、同じ場所に集まり、長い時間をともに過ごす中で、ある程度自然に関係性が生まれていたのかもしれません。

しかし、働き方が多様化し、オンライン化が進み、雇用も流動化する中で、職場の居場所感は自然には育ちにくくなっています。

だからこそ、これからの企業には、居場所感を意図的につくる視点が必要です。

・ただ仲良くするのではありません。

・ただ雑談を増やすのでもありません。

・ただ飲み会を復活させるのでもありません。

必要なのは、社員一人ひとりが、自分の役割、存在価値、つながりを確認できる場です。

自分はこのチームで何を担っているのか。

誰に支えられているのか。

誰を支えているのか。

この職場で、どのように関わり合いたいのか。

こうした問いを、安心して扱える場をつくることです。

その意味で、LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドは、単なるチームビルディングの道具ではありません。

職場の中に、見えなくなっていた関係性や役割感を取り戻すための、対話の方法です。

自社で考えたい問い

今回の記事は、企業にいくつかの重要な問いを投げかけています。

自社の社員は、職場に自分の居場所があると感じているでしょうか。

社員は、自分が誰かに必要とされている実感を持てているでしょうか。

働き盛り世代が、役割や存在価値を見失っていないでしょうか。

若手社員が、安心して相談できる関係を持てているでしょうか。

テレワークや効率化によって、必要な雑談や関係形成の機会まで失われていないでしょうか。

感謝や承認が、制度だけでなく、日常の対話として交わされているでしょうか。

チームの中で、一人ひとりの役割や貢献を確認する場はあるでしょうか。

職場の孤独は、見えにくい問題です。

しかし、見えにくいからこそ、放置すると静かに広がります。

気づいたときには、社員の気持ちが職場から離れ、意欲が下がり、退職という形で表面化することもあります。

おわりに

職場に「居場所がある」と感じる人が減っているという事実は、これからの企業にとって大きな警鐘です。

人は、給与や条件だけで働いているわけではありません。

・自分が必要とされていること。

・自分の役割があること。

・理解し合える人がいること。

・自分の存在が、職場の中で意味を持っていること。

そうした感覚があってこそ、人は前向きに働き続けることができます。

職場の居場所感は、自然に生まれるものではなく、これからは意図的につくっていくものです。

そのためには、制度だけでなく、対話の場が必要です。

LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドは、社員一人ひとりの思いや役割感を可視化し、互いの存在や貢献を確認するための有効な方法です。

職場に居場所を取り戻すこと。
それは、社員の幸福度のためだけではありません。

人が自分の役割を感じ、互いに必要とし合いながら働ける組織をつくること。

そこに、これからの企業の生産性と持続性の土台があるのだと思います。

引用・参考資料

日本経済新聞
2026年6月9日朝刊 p.23
職場の居場所感・孤独感に関する記事

記事内出所:
インディードリクルートパートナーズリサーチセンター
パーソルキャリア「Job総研」
ランスタッド
東京商工会議所
JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所
筑波大学 中村准子准教授
マイナビ

※本記事は、上記記事をもとに、ライフ・ブレークスルー・ジャパン株式会社として要約・考察したものです。

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